あなたは、フィリピンと聞くとどんなイメージを抱くでしょうか?
南国リゾート、貧しい国、治安の悪い国、フィリピンパブ?など様々なイメージを抱くことでしょう。
知っているようで全然知らない国。
フィリピンは、きっとあなたにとってそんな国であるはずです。
こちらの記事では、留学先となるフィリピンという国についてより深く知ってもらえるように、フィリピンの基本情報をまとめました。
この記事を読み終えるころには、フィリピンについて今とは180度違った印象を抱いていることでしょう。
フィリピンの基本情報
まずはフィリピンの基本情報から学んでいきましょう。
フィリピンは、東南アジアに属する7,109の島々からなる立憲共和国で、インドネシアに次ぐ世界第2位の多島国です。
国土面積は299,404平方キロメートル、日本の約8割ほどの大きさです。
日本の南西に位置し、日本からは約4時間ほどのフライトで行けるご近所の国です。
2015年には人口が、1億100万人を突破。
現在も人口は増え続けており、23歳前後の若い世代が多いです。
人口ピラミッドも上記のようなきれいなピラミッド型です。
2040年まで人口は増え続けると推測されていますが、2000年代には出生率が2%を切ったというデータもあるので、先進国の仲間入りをする中でだんだんと少子高齢化が進んでいく可能性もあります。
また、フィリピンは、ASEAN唯一のキリスト教国家で、国民の83%がカトリック、10%がキリスト教、残り5%ほどがイスラム教徒です。
フィリピンの島々
フィリピンは、大きく分けて上記の4つのエリアに分けることが出来ます。
ルソン島
首都マニラのあるフィリピン本島です。
首都マニラ近郊の中心部、バギオやサガダ、ビガンなどがある北部、レガスピやナガなどがある南部(ビコルとも呼ばれる)の3つに分けられます。
世界遺産の多くがこのルソン島に集中しています。
ビサヤ諸島
ビサヤ諸島には、ビーチリゾートとして日本でも知名度の高いセブ島があります。16世紀の大航海時代にマゼランが一番最初に降り立った地としても有名です。
セブ島の他には、バコロドのあるネグロス島、イロイロのあるパナイ島、大きな台風や地震の被害にあったレイテ島、観光地として有名なボラカイ島、ボホール島、サマール島など複数の島々が集まっています。
ビサヤ諸島は、ビーチリゾートが多いですが、日本人にとってのマニラよりもこちらのビサヤ諸島のほうがフィリピンのイメージになっているかもしれません。
ミンダナオ島
ミンダナオ島は、フィリピンの南部に位置する自然豊かな島です。現大統領のドゥテルテ氏が長年市長を務めたダバオ市がある島としても有名。
ダバオは、以前フィリピンの中でもかなり治安が悪い場所として有名でしたが、ドゥテルテ氏の治安改善策によって見る見るうちに安全なエリアへと変わったといいます。
しかし、一部イスラム過激化組織が潜伏しており、紛争が起きているエリアもあります。小規模なテロ行為も発生していることから現在ミンダナオ島の西部は外務省の日本の勧告で危険レベル3(渡航中止勧告)が出ています。
パラワン
パラワンは、フィリピンの南西に位置する島で「フィリピン最後の秘境」といわれるほど今なお手付かずの自然と美しい海が残る島です。
特にエルニドが有名です。
人口は約76万人でいまなお少数民族がたくさん暮らしており、その数は80の民族に上ると言われます。
フィリピンの言語
島や地域によって主言語が異なり、言語の数は総計で100を超えるとも言われています。
母語として話す人が100万人を超える言語だけでも、タガログ語、セブアノ語、イロカノ語、ヒリガイノン語、ビコール語、ワライ語、パンパンゴ語、パンガシナン語など10以上あります。
そんな多言語国家フィリピンは、昔から円滑な意思疎通のために共通語を必要としてきました。
現在、共通語となっているのはフィリピンの国語として使われているフィリピン語(タガログ語と公用語として使われている英語になります。
英語は、アメリカ占領下にあった20世紀初頭にフィリピンに持ち込まれました。アメリカ軍は、全国に小学校を設置し大量の教師と教材を持ち込みフィリピン人にアメリカ流の教育を行います。
その際に教育の中心になった地域がバギオであり、全国の教師が集められ教育研修が行われた「ティーチャーズ・キャンプ」は、今でも同機能を持つ施設として残っています。
関連記事:滞在者が語る!バギオがフィリピン留学におすすめな理由
現在でも、小学校のころから英語で授業が行われるので国民の多くが英語を話せます。
英語の実力は、世界でも通用するほどでフィリピンは2013年にビジネス英語の世界ランキングで、英語圏の国を差し置いて156ヶ国中世界1位に入賞したこともあるほどです。(2013年
世界的な英語教育機関であるEFが行っているEF English Proficiency Indexでは、世界14位にランクインしています。(EF English Proficiency Index 2018)
アジアで、上位20位以内に入っているのはシンガポールとフィリピンのみです。
その英語力の高さから、事務処理など顧客企業の業務を請け負う「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)」産業の拠点として存在感を発揮しいます。(フィリピン、世界最大のコールセンターに インド抜く-日本経済新聞)
ここからもフィリピン人の英語力の高さが分かります。
フィリピンの経済
今アジアで最も勢いのある国のひとつで「アジアの優等生」と呼ばれています。
2012年を皮切りに6.8~7.0%の高い水準で経済が成長しています。
今後も、内需や出稼ぎ労働者による海外送金、政府のインフラ投資などが牽引し、6%を超える経済成長の継続が期待できると予測されています。
若い人口が多いので今後も消費の拡大が見込まれ、経済成長は安定的に推移していくでしょう。
フィリピンの経済発展は、不動産・コールセンター、会計、法律事務程のビジネスサービス関連、金融、運輸・通信などサービス業がその軸となっています。
また毎年160万人を超える労働者が海外に出稼ぎに行くとも言われ、海外からの送金による資金の流入も経済の活性化を下支えしています。(2015年には日本円で約3兆円の海外送金があったと言われています!)
上記のような盛り上がりからか、フィリピンには日本では感じられない発展の熱のようなものを感じます。その場にいるだけで勢いと躍動感のようなものを感じるのです。
フィリピンの通貨
フィリピンの通貨は、フィリピンペソになります。
以下に通貨の種類をまとめます。
紙幣 | 1,000ペソ、500ペソ、100ペソ、200ペソ、50ペソ |
硬貨 | 10ペソ、5ペソ、25センターボ、10センターボ |
最近、キャッシュレスの風潮が世界的に高まってきていますが、フィリピンはまだまだ現金社会です。
特に100ペソ、50ペソ単位の少額の紙幣をたくさんもっていると生活しやすいです。1,000ペソや500ペソなど単位の大きなお札は、田舎のサリサリストアやタクシーなどで嫌がられます。(お釣りに困るため)
単位の大きな紙幣はSMモールやアヤラモールなど大規模なショッピングモールで使用すると良いでしょう。
フィリピンの物価
フィリピンの物価は、だいたい日本の3分の2ぐらいです。
例えば、500ミリのミネラルウォーターの値段が30ペソ(日本円で60円前後)で買えます。
ビールやたばこなどは日本よりだいぶ安いです。フィリピンのご当地ビール「サンミゲル」が大体一本60ペソ(120円)前後、たばこは100ペソ(200円)前後で買えるようです。
レストランでは一人600円前後の値段でおなか一杯食べられます。
ただ、マニラやセブの高級レストランになってくると値段は日本並み、もしくはそれ以上に跳ね上がります。
地域によっても多少物価が違っていて、田舎は安くリゾート地は高い傾向にあります。
フィリピンの気候
フィリピンは、年間を通じて暖かい気候が続く南国です。
年間の最高気温は32℃前後で基本的に6~11月が雨期、12~5月が乾期となっています。
乾季は、からっとした晴れの日が続く非常に快適な気候です。5月が最も暑く、1月が最も涼しくなります。雨期は、朝方と夜は晴れ、昼間にスコールのような雨が降ります。
服装については、年間を通じて日本の夏の服装が基本です。
ただし、バギオなどルソン島北部にある地域は、避暑地で気温がほかの場所に比べ低いので長そで長ズボンは必須です。
訪れるエリアや季節によって気候が変わってきますのでご注意ください。
関連記事:バギオの気候
フィリピンの治安
フィリピンは、治安が悪い国という印象が強いですが、実際は安全な国です。
自分から危険な目に合いそうなエリアに足を運ばない限り、事件に巻き込まれる可能性はほとんどありません。
もちろん、危険エリアとして認定されている場所もありますが、それはミンダナオ島南部のイスラム過激派がいる一部の地域のみで、留学生が渡航することはないエリアです。
また、語学学校があるエリアは全て治安が良好な地域です。
ただ、危機感をもって生活をすることは忘れてはいけません。
例えば、危ないと思われるエリアに足を踏み入れない、夜中に一人で出歩かないなど最低限の危機対策はしてください。
また、スリや盗難などの軽犯罪は多いので、財布やスマートフォンなどの身の回り品のにはくれぐれも注意するようにしましょう。
関連記事:バギオの治安について現地に5年間滞在した僕が解説します。
フィリピン人の国民性
フィリピン人の国民性は、とても陽気でホスピタリティにあふれる、とてもコミュニケーションを取りやすい人々です。
シャイで保守的な日本人でも、すぐに仲良くなれてしまう不思議な人懐っこさがあります。
僕も留学生としてフィリピンを訪れてから、かれこれ5年間フィリピンに滞在しましたが、とても快適な生活が送れたのはフィリピン人の優しく陽気な国民性があったからだと思います。
またアジアで最も男女の平等性が高い国としても知られ、若いころから男女問わずみんな仲がいいのが特徴です。
まとめ
いかがでしたか?
フィリピンについて前よりはイメージがしやすくなったのではないかと思います。
日本とフィリピンはある意味で正反対の状況にあります。
日本は、人口が減り、少子高齢化が進み、ある程度経済が成長した成熟した社会や経済ですが、一方のフィリピンは人口が増え続け高い経済成長率を維持し、発展の熱が肌で感じられる国です。
あなたがフィリピン留学を通して学べることは、英語のみに留まらないでしょう。
海を越えてフィリピンに実際に足を踏み入れることで見れるもの、体験できるものの多くが、あなたにとって貴重なものになることは間違いありません。