不定詞は、「To + 動詞の原形」という形を用いて、動詞を動詞以外の性質で使えるようにする文法テクニックです。
不定詞は、すごく便利なスキルですが、実践の英会話で使いこなせている学生が少ない印象を受けます。
そこで、不定詞をもう一度おさらいできる記事を書きました。中学英文法で学んだ不定詞の知識を中心にご紹介していきます。
不定詞には、大きく分けて名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つの活用法があります。
以下の記事ではそれらをポイントを絞って分かりやすく解説していきます。
英会話を学び始めたばかりの初級者の方が不定詞の基本的な知識を覚えるのに役立つはずです。
それではさっそく始めましょう。
不定詞の名詞的用法
不定詞の名詞的用法は、その名の通り不定詞が名詞のような役割をする活用法で、「~すること」という意味を表します。
名詞のような形で、主語(S)、補語(C)、目的語(O)に入れ込むことが出来ます。
主語として活用するパターン
下記の例文は、名詞的用法を主語として活用したパターンです。To speak English(英語を話すこと)という名詞的活用の不定詞が主語になっているわけです。
例文:To speak English is difficult for me.(私にとって、英語を話すことは難しい。)
ただ、こちらの活用法は英会話の中ではあんまり使いません。主語が長ったらしくなるし、不格好だからです。
代わりに、下記のように「It is 形容詞 + 人 + to 不定詞」の文に置き換える場合が多いです。
To speak English is difficult for me.
= It is difficult for me to speak English.
「It is 形容詞 + 人 + to 不定詞」は、英会話でもめちゃくちゃ使えるテンプレートです。
形容詞の語彙を変えて、バラエティー豊かな英文を作ることが出来ます。
補語として活用するパターン
下記の例文が補語として活用したパターンです。
例文:My dream is to be an astronaut. (私の夢は、宇宙飛行士人なることです。)
不定詞がto be an astronaut(宇宙飛行士になること)という補語の役割を担っています。
目的語として活用するパターン
下記の例文が目的語として活用したパターンです。
例文:I like to play piano.(私はピアノを弾くのが好きです)
他動詞(後ろに目的語を必要とする動詞)であるlikeの後に続く不定詞がto play piano(ピアノを弾くこと)という目的語の役割を果たしています。
不定詞の形容詞的用法
不定詞の形容詞的用法は、「名詞 + to 不定詞」という形をとり「~するための」という意味を表すことができます。
前の名詞を修飾するように使われるので形容詞的用法といいます。
例文①:I need something to drink.(何か飲み物が必要です。)
例文②:I want somewhere to live in.(どこか住む場所が欲しいです。)
例文③:I have a lot of things to do.(やることがたくさんあります。)
上記の例文ので解説すると「something to drink(飲むためのもの)」「somewhere to live in(住むためのどこか)」「things to do.(するためのこと)」という風に前の名詞を修飾しているのが分かりますね。
ちなみに形容詞的用法で動詞に自動詞が来る場合は動詞の後に前置詞が伴います。(※ただ、正直前置詞を付けなくても通じるのであんまり気にしなくて大丈夫です。)
不定詞の副詞的用法
副詞的用法には、主に以下の4つの種類の使い方があります。
① 目的「~のために」
例文:I went to the Philippines to study English.(英語を学ぶために、フィリピンに行きました。)
上記の例文のように、不定詞で表現するものが動詞の目的になるような表現方法が可能です。
不定詞が「~のために」という意味を表します。
この場合、to study English(英語を学ぶために)という不定詞がwent to the Philippines(フィリピンに行った)という動詞を修飾する副詞の役割を果たしています。
② 感情の原因「~して」
例文:I’m glad to see you.(お会いできて嬉しいです。)
上記の例文のように、抱いた感情の原因を述べるときに不定詞の副詞的用法を使うこともできます。
不定詞が「~して」「~することを」という意味を表します。
感情を表す語彙の一例として、glad(嬉しい)、happy(嬉しい)、excited(ワクワクする)、afraid(恐れる)などがあります。
こちらは日常会話でもたくさん使う表現なので覚えておくと便利です。
③ 結果「(結果として)~する」
例文①:My uncle lived to be 100.(私の叔父は、100歳まで生きた。)
例文②:Jack grew up to be a dentist.(ジャックは成長し、歯科医になった。)
例文③:He did his best, only to lose.(彼はベストを尽くしたが、敗れた。)
上記のように不定詞の副詞的用法を使って「(…の結果として)~になる」という表現を作ることもできます。
例文①を見ると、to be 100(100歳になる)がlived(生きた)という動詞を修飾して「生きた結果として、100歳になった=100歳まで生きた」という意味を表現しています。
結果の不定詞を使う場合、以下のものとセットになることがほとんどです。
- grow up to be(成長して~になる)
- only to do(結果~した」
- never to do(決して~しない)
- awake to do(目覚めて~した)
- wake up to find (目覚めると~と分かる)
- live to be年齢(~歳まで生きる)
あまり会話の中で用いることはないかもしれませんが、一応覚えておくといいでしょう。
④ 理由・判断の根拠「~するなんて…だ」
例文①:It is so kind of you to help me.(助けてくれるなんて、とても親切ですね。)
例文②:He must be genius to solve this question.(この問題が解けるなんて、天才に違いない。)
上記の例文のように見解に関する理由は根拠を補う際に不定詞の副詞的用法を使うこともできます。
例文①のように「It is+人の性格・性質(形容詞)+of +人+to 不定詞」というテンプレートを使うパターンでは、It is so kind of you(あなたはとても親切です)という見解(判断)を to help me(私を助けてくれたから)という理由を述べる不定詞が修飾しています。
例文②のパターンも同様にHe must be genius(彼は天才に違いない)という見解(判断)をto solve this question(この問題を解いたから)という理由を述べる不定詞が修飾しています。
会話の中で自分の見解と理由を述べることってたくさんあるので、このテクニックは覚えておいて損はないです。
まとめ
いかがでしたか?
不定詞の3つの活用法とそれぞれの性質が理解できたかと思います。
冒頭でも述べましたが、不定詞は使い方が分かると英会話にも活かせるとても便利なテクニックです。
ここでも重要なのはルールを覚えるだけではなく、実際に例文のテンプレートなどをもとに自分自身で例文を作ってみること。
オンライン英会話をやっていたり、留学中の学生はその例文を実践で使い通じるかどうか試すことも忘れないようにしてください。