フィリピンには、3つの文化遺産と3つの自然遺産、合計6つの世界遺産があります。
せっかく海外に行くのだから、どうせならその国にしかない世界遺産を見たいという気持ちに駆られますよね。
そこでこちらのページでは、フィリピンの世界遺産の情報をまとめたいと思います。
トゥバタハ岩礁海中公園
トゥバタハ岩礁海中公園は、パラワン島とミンダナオ島の中間ぐらいに位置する332平方キロメートルの広大なサンゴ礁で覆われたエリアです。
1993年にユネスコの自然遺産として世界遺産に登録されました。
手付かずの美しいサンゴ礁やウミガメ、300種類を超える魚介類などが生息する文字通り「お魚天国」な場所で、フィリピンの中でも指折りのダイビングスポットとして有名です。
アクセスは、パラワン島のプエルトプリンセサからボートが出ています。ただし、航海の時間は14時間前後とかなりタフな渡航。
加えて、モンスーンにより渡航可能な時期2月下旬から6月上旬に限られているため、ツアーを利用していく場合が多いです。
バロック式教会群
16世紀のスペインのフィリピン統治以降、フィリピン各地にキリスト教の協会が建設されました。
1993年に文化遺産として世界遺産に登録されたのは、数ある協会の中でも歴史的にとても重要な次の4つのバロック式教会をさします。
バロック建築(Baroque Architecture)は、1590年頃から盛んになった建築様式。建築そのものだけではなく、彫刻や絵画を含めた様々な芸術活動によって空間を構成し、複雑さや多様性を示すことを特徴とする。特に内部空間の複雑な構成は、他の建築様式とは際立った特色となっている。(Wikipediaより引用)
サン・アウグスチン教会(マニラ)
サン・アウグスチン教会は、16世紀後半から17世紀の初頭にかけて完成したフィリピン最古のバロック式教会です。
場所は、マニラ市内のイントラムロス内にあります。これまで戦争や幾多の災害などに見舞われても破壊されなかった奇跡の教会としても有名です。
パワイ教会(ルソン島ラワグ)
パワイ教会は、1710年に完成したといわれるバロック式の教会です。別名パワイのサン・アウグスチン教会とも呼ばれます。
煉瓦造りの重厚な建物で教会の横に立つベル・ターワーも印象的です。
場所は、フィリピンのルソン島北部イロコス・ノルテ州ラワグにあります。
サンタ・マリア教会(ルソン島ビガン)
サンタ・マリア教会は、18世紀に建設されたといわれるバロック式教会です。アラベスク模様のデザインが施されている点がとてもユニークです。
アラベスク(arabesque)は、モスクの壁面装飾に通常見られるイスラム美術の一様式で、幾何学的文様(しばしば植物や動物の形をもととする)を反復して作られている。Wikipediaより引用
場所は、ルソン島北部イロコス州ビガンから1時間ほどバスで移動したサンタ・マリアにあります。
この後にでも触れますが、ビガンは、スペイン風の街並みがいまだに残るエリアで、街自体が世界遺産に登録されています。
ミアガオ教会(パナイ島イロイロ)
ミアガオ協会は、18世紀後半に建てられたといわれるバロック式教会です。別名サント・トーマス教会とも呼ばれます。
場所は、パナイ島のイロイロにあります。
教会の正面にあるココナッツの木や幼きキリストの手を引くセント・クリストファーの浮き彫りが印象的です。
中世スペイン、中国、イスラム文化を融合させた独特のデザインが施された協会で、その荘厳さと美しさは来る人々を魅了します。
上記の教会群を訪れると16世紀にタイムスリップしたような不思議な感覚を味わえることでしょう。リアルにドラクエの世界にいる気分が味わえます。
コーディリエラ棚田群
コーディリエラの棚田群は、ルソン島北部のイフガオ州バナウェにある棚田群で1995年に自然遺産として世界遺産に登録されました。
先住民族のイフガオ族が2000年以上前に神への捧げものとして作ったと言われており、別名「天国への階段」などとも呼ばれます。
展望台からの景色は壮大でその迫力に圧倒させられます。
今でも棚田では、コメ作りが行われています。そして、その米は売買のためではなくあくまで村人たちが食べるもののみ作っているそうです。
有名なのはバダッドの棚田です。ただ、キアガン、フンドゥアン、マヤウヤオ、バガアンなどにも世界遺産に登録されている棚田があるので見に行って欲しいです。
ビガンの街並み
ビガンは、16世紀のスペイン統治時代に建設された建物が数多く残る街で、1999年に文化遺産として世界遺産に登録されました。
場所はルソン島北部のイロコス州にあります。
クリソロゴ通りにはスペイン統治時代の石畳がそのまま残されており、そこを走るカレッサ(馬車)を見ると中世の時代にタイムスリップしたような感覚になります。
夜は街並みが濃いオレンジ色にライトアップされとても優雅な雰囲気です。ホテルも多いので1泊して満喫するのがおすすめです。
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
プエルト・プリンセサ地下河川国立公園は、セントポール山の下を流れる全長8.2キロメートルに及ぶ世界最大の地下河川です。別名、Underground River(アンダーグラウンド・リバー)とも呼ばれます。
1999年に自然遺産として世界遺産に登録されました。
場所は、フィリピン最後の秘境パラワン島の州都プエルト・プリンセサから3時間ほど北に移動したエリアにあります。サバンという村が入り口にあたります。
河川の流れる洞窟を手漕ぎボートで渡るツアーなどがあるので参加すると良いでしょう。また他にもジャングル・トレッキングが楽しめるツアーもあります。
インディ・ジョーンズの冒険さながらの神秘的な世界観が楽しめるでしょう。
ハミギタン山岳地帯野生動物保護区
ハミギタン山岳地帯野生動物保護区は、ミンダナオ島にある160平方キロメートルに及ぶ広大な自然保護区です。2014年にユネスコの自然遺産に登録されました。
場所は、ミンダナオ島南東部に位置します。
ここでは、絶滅危惧種に指定されているフィリピンの国鳥フィリピン・イーグル、大型オウムのコカトゥー、世界最小のメガネザルターシャ、アジア・ジャコウネコなどの動物の他に1380種類の動植物が生息していると言われます。
まとめ
いかがでしたか?
フィリピンの世界遺産の場所や特徴などがお分かりいただけたと思います。
世界遺産に登録されている場所のうちスペイン風の街並みを残す古都ビガン、コーディリエラの棚田群のあるバナウェ、加えて3つのバロック式教会群がルソン島にあります。
バギオやクラークエリアに留学する学生は、時間に余裕があれば世界遺産を巡る旅も楽しめそうですね。
また、自然遺産であるトゥバタハ岩礁海中公園とハミギタン山岳地帯野生動物保護区は、外務省の危険度レベルでもレベル2に指定されているエリアにあるので、渡航には十分な注意と現地をよく知るガイドの同行が必要です。
まずは、ルソン島にある世界遺産とパラワンのプエルト・プリンセサ地下河川国立公園からトライし、様子を見て残りの二つも検討してみることをおすすめします。